その講座では、理論についても学んだのですが、感情に理論があるなんて思いもしなかったので、大変驚きました。
そのグリーフ理論のいくつかについて、簡単にご紹介します。
グリーフには大きく分けて、ノーマル・グリーフと複雑化したグリーフの二種類があります。
まずはノーマル・グリーフ(複雑化していないグリーフ)についてです。
ノーマル・グリーフ理論の代表として、ニーメヤーのグリーフ理論があります。
ニーメヤーのグリーフ理論では、ノーマル・グリーフとしては3つのフェーズがあり、時と共に①→②→③へと移行していきます。(※なお、移行の時期については個人差がありますので、「〇ヶ月で①から②に必ず移行する」というわけではありません)
①回避のフェーズ
・死に直面し、ショックで無感覚状態に陥り現実の把握ができない。
・喪失のつらさを回避するために死を容認する。
・次第に感情の波が襲ってくるが、できるだけ感じないようにする。
②同化のフレーズ
・愛する人の不在は否定できない。
・会いたい気持ちや恋しさが募り、(心の)激痛や孤独感に襲われる。
・身体的不調に苦しむ。
・怒り、後悔、自責感が募り、絶望、無気力、虚無感に苛まれる。
③適応のフレーズ
・愛する人の生還を諦める。
・激しい感情の波が凪ぐ
・愛する人のいない生活に適応する(※喪失の痛手と打撃を忘れるという意味ではなく、喪失を認めた上で何ができるかを考えられるようになる、ということ)
・新しい生きがい、目的を探す。
ノーマル・グリーフは素直にグリーフを受け止められたパターンですので、比較的早く現実に適応できるといわれます。
ですが、喪失の対象が自分にとって重要であればあるほど、まともにグリーフを受け止めることに耐えきれず、自分では意識することなくグリーフを複雑化させてしまうことも多いのです。私は典型的なこのパターンだったわけですが。
複雑化したグリーフの定義と理論は次回に。
ではまた。